大きな声では言えませんが、『古典文法』大丈夫?
『よみはぴ』にようこそ。
ブックレビュアーの瑠璃花です。
今さら『古典文法苦手……。』と言えないあなたに贈る古典文法苦手克服に効く本のご紹介と、勉強の注意点についてです。
国文学科の学生にとって、古典文法は意外な壁。古語に慣れているつもりでも、フィーリングで読む癖が古典文法の克服を難しくします。よみはぴでは、この苦手を克服し、大学での学びに繋げる方法を提案。国文学を学ぶ上で古典文法の理解は必須です。活用を呪文のように暗記しても、意味がピンとこないままではダメ。文法問題を解いても、訳すと意味を間違った経験、ありませんか?この記事で、古典文法の苦手を克服する参考書と具体的なコツをお届けします!
『古典文法』苦手レベル別参考書
高校の古典文法の学参に戻ります。高校の教科書より学参の方が解りやすいです。
- 授業のようにやさしく解説。古典文法の細かなつまずきを解消。一冊で仕上げたい人向き。付録が秀逸で覚えやすい。
- 「望月光の古文教室 古典文法編 改訂版」も誌上講義。
演習: 「基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル 改訂版」は、同じ著者の問題集で一貫性あり。
高校内容でも、苦手なら基礎からが最短ルート!疑問解消まで徹底的にやること!
改訂増補 古文解釈のための国文法入門 は、ちくま文庫でも人気の名著です。文学部の新入生向け。解説の文脈から文法ルールを理解でき、暗記が苦手な人にも◎。分厚いので、最初ビビりますが、読みやすいので心配ご無用(笑)。
私は文法事項の暗記が壊滅的にアホだったので、逆にこの本を読んでから、望月先生の本に戻りました。正直、文法はご紹介した高校の学参どれか1種類と、このちくま文庫があれば大丈夫と思います。
古典文法のポイントって何?
- 本文に主語が書かれていない事が多いので、誰のことを述べているか特定しにくい。
→『登場人物○○→登場人物?(誰)』or『著者や話の語り手→登場人物?』への発言・行動や意識か?
登場人物同士の会話や出来事か、説明役の気持ちを述べているのか整理する。 - 語り手と登場人物各々の身分の上下に着目して読む
- 『助動詞』に注目して意味(気持ち・行動を示す助動詞と置き換えた方がわかりやすいかも。受け身・可能・自発・尊敬)のどの意識が、誰から誰に発動しているのか?考えて読む。
- 『なむ』の用法に注目する。→どの時点で、どの話を、どんな時間視点でしているのか?時制を考えて読む。
- 文中のわからない単語は、そもそもきちんと意味を調べる。
オススメの原典初挑戦はこれを読め!
文法は原典を味わうためのツール。焦らず、ゆっくり読むのが理解の秘訣。初挑戦なら「伊勢物語」(角川文庫版)がおすすめ。
短いエピソードで読みやすく、古典文法の基礎が凝縮された作品で、注釈も詳しい。源氏物語も、枕草子も、伊勢物語の文学的教養の影響を大きく受けて書かれたため、その後の学習にも役立ちます。現代訳付きで背伸びせず、どんな本もわからない部分は脚注(ページの下にある解説)と頭注(ページの上にある解説)の解説を頼りに。古典文法を交通整理役と捉え、よみはぴ流に楽しみながら学んでください。
それでも???な人は、現代語訳で、主要作品を通読後、学参に戻ります。中身を知ってる本だと、次に古語で出会ってもとっつきやすいので、理解のハードルが下がります。(大学受験する高校生さんにも有効です。)
おしまいに
今日のお話はいかがでしたか?
古典文法の苦手を克服すれば、作品の理解が豊かになります。よみはぴのアドバイスで自信を!文法を完全にして、今日から1日10分、原典に挑戦してね。この記事があなたの第一歩になれば幸いです。また「よみはぴ」に遊びにきてね。ありがとう!