「よみはぴ」にようこそ。
ブックレビュアーの瑠璃花です。
おとといは『星の王子さま』の日ということで、私がかつて『星の王子さま』を食わず嫌いして後悔したことと、おすすめの翻訳をご紹介しました。(リンクから『星の王子さま』の記事に飛べます。)
『星の王子さま』、読めばやっぱり名作なのに「つまらなそう」と決めつけて、長い間手に取らなかった私です。(苦笑)
実は、もう一冊同じように敬遠していた児童文学の傑作があります。
今回これを書くために、再読しました♪
それが、ミヒャエル・エンデの『モモ』。
今回は、夏の読書感想文にもぴったりの『モモ』の魅力をお届けします!
はじめに『モモ』との出会いと私の後悔
『モモ』なんて興味ない!と思っていた私
読まず嫌いだった本、『モモ』。
ミヒャエル・エンデの、言わずと知れた傑作です。
大人が口々に、「名作だから読みなさい」というたび、
「そんなのぜんぜん面白くなさそう!」
と避けてばかり。(笑)
子どもの頃は、同じ「モモ」でも、幼い頃好きだった『ちいさいモモちゃん』という松谷みよ子さんの童話の方が、ずっと親しみがあって大好きでした。
ようやく3年前に読み終えた時の感想がこちらです。
出会いに時間がかかった分、いろいろ考えさせられました。
ふくれっ面だった私が、どう『モモ』に心動かされたのか、
ご覧ください。
実際に読んだ本はこちら
私はKindleで電子書籍版の岩波少年文庫を読みました。
(ハードカバーはこちら)『モモ』ってどんなお話?
モモの特別なところは、話を聞くだけで人の心を軽くしたり、良いアイデアを思いつかせたりする不思議な力。
それから、町の人たちがなんだか冷たくなったり、せわしなくなったり…。いったいどうして?
モモは、大切なものを守るため、男たちに立ち向かいます。はたして、モモの冒険はどうなるのでしょう?

『モモ』を楽しく読むには?子どものあなたへ
読み始める前に
この本、ちょっとぶ厚いからびっくりするかもしれないけど、ゆっくり読めば大丈夫。安心してね。
お気に入りの場所で、のんびりページをめくってみて。
あっ!でも急いでいるときは、ちょっと待って。夢中になっちゃうから、宿題やお手伝いを忘れちゃうかも(笑)。
読んでいると、「面白い!」「変な話!」って思うかもしれない。どんな気持ちでもOK! モモの好きなところや嫌いなところ、考えてみて。本の世界に入ったら、君ならどうするかな?
読み終わったら―。
あなたの思ったことを、読み終わったらすぐにメモしておこう!どのページの、どこを読んで、どんな気持ちになった?忘れないうちに書いておくと、感想文を書くのは、とってもらくちんです。
大きなふせんに、読みながらメモを書いて、そのページにペタッとはっておいてもグッド。思いついたらすぐ書き足せて、見直せるからとても便利だよ。
図書館から借りた本で読む時は、本に直接メモしたり線を引かずに、ノートに気になった文章を写して、メモを書いたふせんを本からノートに移そう。これを見ながら感想文を書くと、書くのがいつもよりずっとらくなはず。
頑張って読んだけど、途中でやめても、「ここが難しかった」「このシーンが好き!」って書くだけで、立派な感想文。自分だけの『モモ』の物語を、楽しんで書いてみてね!
読書メモから読書ノートを作るコツ―これで感想文名人に
必ずノートには、本の題名・本を書いた人の名前・メモをとって写したら、そのページの番号をいっしょに書いておいてね。この習慣は、調べ学習の時や、大人になるまで、勉強や仕事にも役立ちます。
これで、このノートは君だけの読書ノートに早変わり!同じようにして、夏休みに他にも本を読めば、それだけで自由研究がひとつ出来上がるよ。
イラストを入れたり、可愛いマーカーでチェックをしたり、シールを貼ったり、くふうしてステキな読書ノートを作ってみてね。
親御さんや大人のあなたへ『モモ』を楽しむ ために
さて、おとなのみなさん、初めて読む方も、久しぶりで読む方も、『モモ』を読むなら、出来れば、お好きな飲み物を用意して、急がずじっくり味わってみてください。
時間や効率も大事な現代ですが、時に立ち止まって物語を味わう幸せが、きっとあなたに、何か気づきをくれる。『モモ』は、そういう力を持った作品だと思います。
もし、『モモ』が難しく感じたら、こんなガイドがあります。
「100分de名著」の『モモ』特集(NHKオンデマンドで観る事ができます。)
番組のテキストのこちらを読むのもおすすめ。
私もこの番組の朗読や解説で、『モモ』の魅力に開眼したんです!
ただ、大事なお願いがひとつ。
お子さんが『モモ』を読むときは、そっと見守ってあげてください。
「こう書きなさい」「それはダメ」「違うでしょ」
とは、どうかおっしゃらないで。
おとなのあなたや私と、お子さんたちが面白く感じたり、いろいろ考えるポイントは違います。
お子さんがご自分と違う考えを持っても、一緒に話しながら、子どもならではの視点を一緒に楽しむつもりで、否定せずにゆっくりと聞いてあげてください。
子どもが自由に感じたことが、いちばん大事な宝物。それを否定せずに受け止め、いっしょに味わってくれる大人がいることが子どもさんの安心感や満足感を高め、楽しかった!という体験につながります。
それはきっと、何よりの次の本への誘いになるのです。
上にも書きましたが、途中までしか読めなくても
「ここまで頑張って読んだのね。じゃあ、ここまでで書こうか」
と、今の子どもさんの心を受け止めてあげてください。
やめちゃった理由も、その気持ちも、立派な感想です。
一気に読み終わることだけが、読書ではありません。来年続きを読んだって、ちっとも構わないのですから。どうか安心して、『モモ』と出会ってくださいね。
そして、次の一冊につながれば、こんなに嬉しいことはありません。

© Canva / よみはぴ用無料素材
おわりに
いかがでしたか?
夏の読書感想文にぴったりの『モモ』の魅力、伝わりましたか?
ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだ感想や、お子さんとの読書タイムの思い出、ぜひXで教えてください!
#よみはぴモモ や #よみはぴ夏の読書感想文
で、みなさんの声を楽しみに待っています。
次に読んでほしい本のリクエストも大歓迎!
また「よみはぴ」に遊びに来てくださいね。最後まで読んでくれて、ありがとうございました!