「よみはぴ」にようこそ。
ブックレビュアーの瑠璃花です。
今日は、憧れて何度も挑むのに毎回読みきれない作家、開高健の
残した、エッセイをご紹介します。私にとってはまさに難攻不落
の男。開高健。今も男性の読者から熱い支持を受ける骨太の文学
は、どんな読書歴から生まれてきたのでしょう
憧れの「大人の男」開高健の世界
今回私が挑んだ本は、図書館で借りた本ではなく、古書で買い求めた開高健の手になる名著案内の本でした。冒頭に、何度挑戦してもダメだったと記しましたが、私はなぜ、何度も登山に挑む人のように、読了できない戦いを続けたのでしょう。
実は、開高健の書斎…仕事部屋の机に一目惚れしちゃったせいです。
この本の読了時の感想はこちらです。自分でもお気に入りのレビューなので、よかったらご覧ください。
この本の表紙を見て、なんて味のある風景だろう。滴る緑。がっちりした机。そして、置かれた沢山の本と文房具。きちんと整理され、居心地の良いこの場所を見ただけで、広い背中が見えるようで。
魅了されました。
この本は、開高さんの記されたブックエッセイやご作品から、その読書歴を辿り、彼の文学の根っこや背景を知ろうという読書案内。
開高文学の水先案内としては、最適の一冊です。
『書物は精神の糧である。誰もが軽く口にするこの句は重く切に事実であり、詩である。食べてみなければ好悪はわからないし、きめようもない。精神の美食家になり、大食家になること。一念発起。そこからである。すべては。』(P11)
この言葉は、私のお守りになりました。
この本が面白かったのに気を良くして、開高さんの書かれたエッセイに挑んで、それは今回2冊め。どうなりましたかと言うと……
やっぱり開高健は難攻不落だった……。
見事、途中で挫折!ああ!あー!悔しい!
一冊目はこちら。『最後の晩餐』。
タイトル通り、美食にまつわるエッセイ。
「最後の晩餐」に食べたいほど好んだ食とは?
Kindle版もあります。今だと、Kindle Unlimitedでも読めます。
今回読んで、負けちゃったのは『今夜も眠れない: 名著ゼミナール』
内容はすごく興味あるんです!アラスカにキングサーモン釣りに行った話とか、出てくるんですよ。カッコよくない?
彼って、アマゾンの秘境にどんどん行ったり、釣りが名人級だったり、もともとベトナム戦争のルポや戦場文学『輝ける闇』で注目されたり、行動が文学を生んでゆく、ご自身が「生きてる冒険小説」みたいな方だと、私は感じているんです。
読書の波に乗る―合う合わぬに潜む冒険―
取り上げてある本も、私の大好きなフォーサイスの『ジャッカルの日』があったり。
でも、なんでか読んでると、うーん。文体の持ってる空気が合わないんでしょうね。内容は興味あるのに。集中出来てないので、潔くやめました。
けれど……こういう経験って、読書が大好きでもやっぱりあって。
失敗をご覧頂くのも、良いと思ったのです。
良い本でも、合う合わないがあるので。
もしかすると、もっともっと時間が経ってから読むと、自分の方が本に追いついて、読めるようになる時もあるし。他の方が
「アカンかったわー」
言ってても、ご自分で読まれると、むちゃくちゃ面白いってことも。
開高健の「生きるパワー」に撃ち抜かれて―リベンジの書はこれを
そして、何度のめり込めずにひっぱたかれても、開高健から目が離せない。なんでだろう、ってこれを書きながら考えてみたんです。
そう、まだ諦めてないんです。
彼は、とても頭の良い人なのに、アマゾンでも戦場でも行ってしまう。自分の肌で感じて、見てきたもの、理屈じゃなくて経験を信じてるところに惹かれるのです。生きるパワーがある方って気がするんですね。
だったら次は、代表作「オーパ!」!
アマゾンの秘境探検記、ちらっと覗くだけで、とても生々しくて、読んでるだけでジャングルの湿気や土の匂いが漂ってくるみたい!このシリーズ、後にアラスカやモンゴルとか、地球の果てまで舞台を広げて書き継がれてるんです。
釣りについてのエッセイも、夏なら水の透明感やしぶきまで感じられて、魚のかかった手応えまでリアルで。
「うわあ!たまらない!」
って方もおいでだと思います。作品が
「今だよ。瑠璃花、来るんだ!」
呼んでくれるまで、じっくり待つのもいい。必ずあの世界に飛び込むつもりです。何度だってチャレンジしちゃう。
読書妖精瑠璃花は、素敵な冒険の切符を絶対離さないんだから!
読書にだってガッツは時に必要だもん。負けないぞ♪
© Canva / よみはぴ用無料素材
おわりに
ブックレビュアーらしからぬ、中断の読了報告でした。
ごめんなさい。でも、格好つけずにこういうところもお見せしていこうと思います。
読了できた方、開高のファンだという方、ぜひ推しポイントを私に教えてください。
また「よみはぴ」に遊びに来てくださいね。
ここまで読んでくださってありがとうございました。