「よみはぴ」にようこそ。
ブックレビュアーの瑠璃花です。 今日、6月29日は『星の王子さま』の日なのだそうです。 作者のサン・テグジュペリのお誕生日だとか。
私、同じ6月生まれなので、急にサン・テグジュペリに親近感を
持ってしまいました。
『星の王子さま』あなたはお読みになったこと、ありますか?
このご本、どうしてもっと早く読まなかったのかと、読了当時
すごく後悔しました。理由、何だと思います?
「どんな読書特集の記事見ても、大人がみんなして「感動した」「素晴らしい」と褒めすぎてて、イヤだった」から。
今から思えば、随分ひねくれた、おへその曲がった理由で読まなかったものです。読了直後に書いた感想が、こちら。よろしければご覧頂きたいのですが。

こんなに感動したのに、読むまで見向きもしなくて(苦笑)
もしかして、私と同じような方、おいでかもと思って……。
まだお読みになっていないあなたのための、翻訳リストを作りました。また、今朝読み返した感想もお話します。
あなたも『星の王子さま』を読んでみよう。
作品紹介
ぼっちゃんこと、星の王子さまと、サハラ砂漠で不時着した飛行機乗りは、偶然出会います。「大切なことは目に見えない」そのことをよく示唆した名作と言われますが、出会った時、不時着の不安と苛立ちから、飛行機乗りはそれどころではありません。
おっとりとした話しぶりの、優しげな王子さまの態度に、この非常時に、何言ってるんだと言わんばかり。王子さまを、世間知らず、苦労知らずの子どものように感じて、そっけない態度です。(まさに私が、王子様に持っていた、偏ったイメージと同じでした。)
でも、広大な砂漠の中で、たった二人、静かに言葉を交わすと、段々と飛行機乗りと王子さまの心に絆が生まれます。無垢な少年に見えた王子さまは、心から愛したバラの花とけんかして、悲しみながら自分の星を後にし、ひとり彷徨っていたのです。
自分が特別に愛おしんだものと別れるのは、どんなに似たもの、より良いものがあっても、こころが痛みます。旅の途中で出会った友達――ヘビやきつねから、それに気付かされる王子さま。愛した者のために、離れざるを得ないことがある。それを、きみは受け入れられるかい?って、問われているようです。
王子さまの傷を癒やしたのが、悪役になぞらえられがちなヘビやきつねなのも、深いですよね。苦しんだことのある人のほうが、実は優しくて。飛行機乗りと、王子さまの時間も、やがて――。
あなたはどの翻訳で読みますか? 2025年6月の最新文庫リスト
私は、3年前の9月に、Kindleで岩波少年文庫版を読了しています。
これも名訳で、私は大好きです。でも、さすが名作。定番の岩波少年文庫版以外にもおすすめの翻訳がいくつかあります。
名作家、倉橋由美子の手になる文春文庫版
同じく名作家、現代の読み巧者、書評の素晴らしさでも知られる池澤夏樹さんの訳された集英社文庫版
すぐ読みたいって方には、2025年6月29日現在、Kindle Unlimitedに入っている、角川文庫版。
再読した感想~さらに深く、優しく~
人との別れって、ただ、置き去りにしたとか、されたじゃなくて、一緒にいるべき時間が、静かに幕を下ろすことで、どっちも悪くなくて。どっちも相手を愛おしんだから、悲しくて。だけど、出逢わないよりも、出逢った方が、きっと。きっといい。
離れることの寂しさを支えてもらうだけじゃ、人生はすうすうします。ひとりで孤独に耐えるちからも、とても大事な宝物。それは、誰かにもらった時間の積み重ねの中から生まれてくるのでしょう。
時に、そっと自分の手を差し出せるひとでいたいなって、今読み返すと思います。
独りの時間は、喜び。誰かといる時間も、喜び。だから。
一緒にいられるこの時よ、一秒でも長く続け。心の通うこのよろこびよ。永遠であれ――。と願ってしまうのでしょう。
今日は、そばにいるひとに、笑顔をちょっと多くしてみませんか?

© Canva / よみはぴ用無料素材
おわりに
いかがでしたか?
あなたにぴったりの『星の王子さま』が見つかりますように。
また「よみはぴ」に遊びに来てくださいね。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。